手づくり醤油キット「こうじ君ともろみさん」を使っての醤油づくり
23%(重量g/容量ml)の食塩水を作ります。水1.8リットルをはかり、適当な容器に入れます。そこに414gの食塩を加え溶けるまでよくかき混ぜます。※水は水道水でもOK※泡立器でかき混ぜると簡単に解けます。
コウジ(1kg)をほぐし、仕込み用の容器に入れます。※容器はのりのびんや、梅干しなどを漬けるカメ、ホームセンターで売っている 3〜4リットル程度のガラスびんなどで結構です。できればプラスチックは避けた方がいいでしょう。びんの口が小さいと掻き混ぜにくいかも分かりません。※届いたその日に仕込むのがポイントです。無理な場合はコウジを冷蔵庫で保管し、早めに仕込みをしてください。
コウジに作っておいた食塩水を加え、コウジをさらにほぐしながら食塩水がまんべんなくコウジに行き渡るよう、竹のへらなどでかき混ぜ、食塩水とよくなじませます。混ぜただけで若干醤油色になったようですが、においはコウジのまま、ただしょっぱいだけです。 ※初期の撹拌を荒櫂(あらがい)と言います。食塩がコウジの中に行き届くと、醤油を作る耐塩性微生物以外の微生物は死滅します。撹拌が不十分だと他の微生物が活動し腐敗することがあります。
最初の 1週間くらいは毎日よくかき混ぜましょう。その後は酵母を育てるために酸素を送ってやるというつもりで軽く混ぜるようにします。かき混ぜることを櫂入れ(かいいれ)と言い、発酵を助けカビを防ぎます。
※白いカビについてもろみがドロッとしてくるころから、表面に白いカビがあらわれます。これは産膜性酵母といって、みそ、漬物、ワインなど発行食品にはよく出てくる酵母の一種です。害はありません。でもたくさん増えると、味や香りを損なうので、白くなりかけたら混ぜて、増やさないことが大事です。4、5日家を空けて帰ってみたら表面が真っ白だった…ということがあっても心配いりません。また混ぜてやれば大丈夫です。醤油づくりはそんなにヤワではありません。でも横着は禁物ですよ。「見て・触れて・息をふきかける」これが醤油づくりの極意です!!
仕込みの直後はあまりいいにおいではありません。これはコウジのにおいでコウジ臭と言います。温度が上がってくるとアルコール発酵が始まり、次第に良い香りになってきます。発酵には夏を越さなければなりません。根気よくつきあってくださいね。
薄茶色だった色が徐々に赤黒く変わってきます。これが醤油のメイラード反応(アミノ酸と糖の結合)です。ときどきなめてみて、味が変わっていくのを確かめてみましょう。昔の人はこのもろみをご飯に添えて食べるのがごちそうだったとか…
もろみの色が濃くなりどろりとした液体になったらそろそろ完成です。搾り布でもろみを包み搾ります。ゆっくりやわらかく搾ると濁りが出ません。これが生醤油です。一番搾りの味を確かめてください。搾り粕は捨てずにぬか床に入れると、ぬか漬けがおいしくなります。
殺菌と発酵を止めるために火入れをします。醤油を鍋に入れ火にかけます。煮立たせると風味が飛んでしまいますので、沸騰させないように注意しましょう。
■仕込みの時期と完成■もろみの酵母は28℃付近でもっとも活動が旺盛です。したがって、仕込んでから必ず夏を越さなければなりません。春に仕込んだものは秋が深まれば醤油らしくなってきますが、秋に仕込んだものは翌年の夏を越したころにようやく醤油らしくなります。いずれにしても、搾りどきを決めるのはあなたの味覚です。ちなみに当社のもろみはほとんど仕込み15ヶ月を経過しています。
●コウジ蒸した大豆と煎って砕いた小麦にコウジ菌を植えつけたもの。コウジ菌がつくった酵素や発酵を進める酵母の固まりです。●コウジに使った大豆自給率わずか3%の国内産大豆です。熊本県などの篤農家が大事に育てたもの。●コウジに使った小麦兵庫県の小麦です。ポストハーベスト(収穫後の農薬散布)の心配のない地元産。●塩について国産の平釜塩「海はいのち にっぽんの海塩」は、長崎県の海水からとるミネラルたっぷりのお塩です。 ●モロミについてモロミとは醸造中の醤油のことです。ダイトクでできたモロミを参考に付けました。こんな風にできあがれば大成功です。このモロミを絞り袋に入れて絞れば、絞りたての生醤油です。火入れをすると長持ちします。